私は相続したボロ一戸建てから不動産投資を始めました。
いわゆる、ぼろ戸建てをリフォームして賃貸するという不動産賃貸業です。
つまり、この相続した家が私の不動産投資の1棟目になったのです。
本来相続した家だから無料で手に入るはずなのですが、それがそううまくは行かなかったのです。
私の父について
私の父は、子供のような人でした。
「わしは子供みたいなもんや。お母さんにこずかいせびって、かわいいもんやで。世の中にはもっとひどい親もたくさんおる」といつも自慢していました。
平日も、そして休日には一日中パチンコ屋で過ごしていました。
月に平均して10万円前後のお金をパチンコ屋に捧げていました。
職業は調理師でした。大変な仕事であることは理解しています。
しかし・・・
職場で女の子のお尻をさわり、セクハラで左遷されました。
彼いわく、「おしりさわったら喜んでたで。なんでやろ・・」と。
左遷されてからうちの一家は、さらに貧乏になり、家のローン返済ができなくなりました。
そして、なぜかわかりませんが、当時の家を売って、手に入れたのがこの家(相続空き家)なのです。
世の中、大半が親の教育によって洗脳されています。
こういう父親だからこそ、私は親に洗脳されずに済んだのだと思います。
もし仮に彼に洗脳されていたとしたら、私は毎日パチンコ屋に通いつめて、そして家に不具合が起これば、ガムテームを貼りまくってやりすごすという人生を歩んでいたでしょう。
相続した空き家の状況
相続した空き家には、私の親族が住んでいました。
本来、それまで人が住んでいたわけですから家の傷みも少なく状態も良いはずです。
しかし、予想どおりひどい状況でした。
何がどのようにひどい状況だったのか、説明してきます。
散らかされた大量の残置物
まず、最も困ったのが大量の残置物です。
片づけられない性格のため、脱ぎ捨てられた衣服が大量に山積みになっていました。
この写真は、私がゴミ袋8個分の衣服を廃棄した後のものです。
また、押し入れにもパンパンに物が詰まっています。
1Fの床のほとんどが抜けている
写真では目立っていませんが、1Fの居間とキッチンではかなり床が抜けた部分があります。
特に洗面台の前の床が完全に抜けているのが痛いです。家主はどうやって顔を洗い歯を磨いていたのでしょうか。
キッチンがボロボロ
見ての通り、流し台はボロボロです。
メンテナンスなしで乱暴に扱っていたというのもありますが、主な理由はリフォームシートが剥がれてきているためです。
もともと、この家の前家主さんがキッチンを新しく見せるためにDIYリフォームしたのでしょう。
剥がれてきたシートをガムテームで補修しているのは、親族の仕業です・・・
おそらくシートが剥がれてきていることに気づかずに、キッチン自体が剥がれてきたと勘違いしてガムテームで補修したのでしょう・・・
彼のことを、私は「ガムテーム仙人」と呼んでいました。
相続した戸建ての運用方法
さて、ようやく本題ですが、これほどボロボロの戸建てはどのようにすればよいでしょうか?
売った方が良い?
でも、解体費用が100万円かかりますよ?
解体費用がかかったとしても、土地値だけでもつけばゼロにはならないだろうって?
自分のことではないから、適当に思いついた、適当な意見を言う人もいるでしょう。
そいういう人の言う通りにすると、買取業者に買いたたかれて、50万円程度で売る羽目になります。
ヘレンケラーの言葉を知っていますか?
「ひとつの扉が閉じるとき、新しい扉が開く。しかし、ほとんどの人はそれに気づかない」
私は、新しい扉の存在に気付きました。
それは、ひょっとしたらボロボロに住んでくれたガムテーム仙人のおかげかもしれません。
簡単に言うと、これほどボロボロの家は、売れないと思ったからです。
実際には全然売れるのですが、当時の私はそのように思ってしまったのです。
「売る」という選択肢がなくなった時、「貸す」という選択肢が自動的に浮かびました。
けど、さすがにリフォームが必要です。しかし、当時の私はリフォームの知識は全然ありません。
それどころか、家の構造すらまるで理解していなかったのです。
その結果、エイブルリフォームに、最大でも100万円程度で済むリフォームに、250万円ぼったくられました。
ぼったくり事件をきっかけに、徹底的に勉強をしました。
主に、DIYリフォームのやり方、リフォーム業者の探し方、家の構造、帳簿のつけ方等、あげればきりがありません。
特にリフォームについて勉強した結果、どんなにボロ物件でも100万円あれば、ほぼ新品レベルで修繕可能です。
これは、キッチン、トイレ、などの水回りを新品交換した上に、クロス、床全張替した場合です。
ただし、玄関ドア交換や風呂をすべて入れ替えるとなればもう少しかかります。
一方で、当時の私はどの程度修繕すれば人に貸せるようになるのかが分かりませんでした。
相続をきっかけに不動産賃貸業を始める人は、かならずぶち当たる壁です。
これは、もう一度リフォームして、貸してみるしかありません。
けど、SUUMOとかに物件を掲載するにはどのようにすれば良いのだろう?
不動産屋を回ればよいのだろうか?
次々と学ぶことが出てきます。
私の場合は、本業が暇であることが奏功しました。
正直、戸建て投資の場合は本業が忙しい人だと時間不足で挫折すると思います。
戸建て投資で重要なことは、物件のDIYを一度自分でやってみるということです。
この作業で、リフォーム技術が身につくだけでなく、家の構造がなんとなくわかり、壊れやすい箇所も把握することができるため、コスト管理能力まで習得することができます。
一度だけで良いのですが、ほとんどの人はこの時間が取れません。
平日は休みが取れないとか言う方は、残念ですがもうその時点で無理です。
では、実際に私が本業を休んでやっている作業について説明してみます。
不動産賃貸業の仕事
私は、不動産賃貸業に関して、多くの大家さんよりは自分でやっていることが多いです。
本業は大学のアルバイトなので、まったく問題ありません。
物件購入
さすがに、これはほとんどの大家さんがやることです。当然物件を購入しなければはじまりません。収益不動産サイトや大手の販売サイトで物件を調べて、実際に不動産屋さんを訪問して、買い付けを入れる必要があります。メールのみのやり取りで購入できる不動産屋さんも存在しますが、この業界(建設、不動産関連)は「だまし」が多いです。普通に、手付金を払って飛ばれるとか、実際には存在しない不動産会社など、色々あります。やはり、本当に不動産やさんが存在するのかどうか自分で訪問する必要があると思います。
融資
少し勉強した段階で分かりますが、不動産購入には融資を使った方が良いです。これもほとんどの大家さんがやることですね。銀行は平日しか営業していないので、本業を休む必要があります。
リフォーム(修繕?)
ボロ物件の場合は、必ず修繕する必要があります。私は自分でリフォームする場合もありますが、業者に頼む場合もあります。私ができる作業は主に、土壁リフォーム、水栓交換、簡単な電気工事、などです。特に戸建ての場合は土壁リフォームがほとんどですから、これができれば相当コストが浮きます。ただ、膨大に時間がかかるので、土日祝日だけの作業だけでは、1年程度はかかるでしょう。壁に塗る材料はばか重いので、搬入には車が必要になります。当初はレンタカーで対応していたのですが、このためにとうとう車を購入しました。その他、業者との打ち合わせも必要です。私の場合は、防水屋さん、内装やさん、給湯屋さん、電気屋さん、等、いろいろな業者さんに頼んでいます。これだけでも結構手間がかかります。
賃貸募集
先に紹介したリフォームと並んで、不動産賃貸業にとって大切なのが賃貸募集です。昔と違って、借り手はネットで家を選んで不動産屋を訪問することが多くなりました。賃貸募集に関しても、不動産屋さんを訪問してそのまま任せる方法も一般的ですが、自分で募集する方法もいくつかあります。戸建ては都会ではあまり人気がありません。堺市という都会っぽい田舎で運営している私にとっては、徹底的に勉強が必要でした。
ちなみに、賃貸募集に載せる間取り図の作成や部屋写真も自分で撮影しています。もともと一眼レフの写真を趣味にしていたこともあり、その頃の技術が役立っています。その他、部屋を良く見せるために、ステージングをする必要があります。私は花飾りやテーブル等を購入してステージングしています。このために、車を利用しています。
内見
賃貸募集でお客さんが見つかったら、内見に案内する必要があります。ほとんどの大家が人任せにすると思いますが、私は自分で案内することが多いです。当初はレンタカーを使っていましたが、そのために車を購入しました。ちなみに、私が案内した場合は入居率が100パーセントです。何も驚くことはありません。その家を知り尽くしている大家だからこそ、そして即興でお客さんと交渉できる大家だからこそ、営業能力が最強です。私は愛想が良い方ではありませんが、お客さんの立場に立って考えることができます。
賃貸管理
賃貸管理は、ほとんどのサラリーマン大家は人任せにしているのではないでしょうか。私は、すべての物件を自主管理しています。入居者からのクレームは修繕が必要なものばかりなので、家の知識が必要です。少し前にも「トイレが詰まってマンホールから排せつ物があふれている」という連絡がありました。私は、汚水桝を速乾モルタルで補修してくれる業者をその日中に手配しました。リフォーム業者に電話して丸投げすることは誰にでもできます。ただ、それだとガキの使いです。私と同じ質の仕事ができる業者は、少ないと思います。
戸建ての不動産賃貸業の覚悟
以上述べたとおり、相続した空き家を活用できる可能性が多くあります。
ただ、昨今の人口減少もあり、相続した空き家をそのまま貸せるわけではありません。
そのためには色々と勉強する時間も必要ですし、手間もかける必要があります。
チャレンジしたいと思う人の参考になれば幸いです。
このような記事もどんどん書いてほしいという方、コメント欄にコメントしてください。
よろしくお願いいたします。
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