ITエンジニアから研究者に転職する方法【令和時代の新しいキャリアチェンジ】

私は情報系の修士課程を卒業した後に,エンジニアとして勤務していました.

30代半ばに勤務していた電機メーカーを退職し,30代後半にて大学院博士課程に進学しました.

この決断は世間的にはかなり無謀だと思われるかもしれません.

しかし,今振り返ると悪くない選択だったと思います.

なぜなら,私は今40代に突入し,企業であればリストラ対象になっていてもおかしくないからです.

否,コミュニケーション力に劣る私はきっとリストラされていたと思います.

私は,企業に勤務していた頃はキラキラの研究職ではなく,一介の現場エンジニアでした.

仕事内容はソフトウェアからハードウェア,品質管理,力仕事などかなり広範囲に及びました.

現場での仕事も多く,機械の操作でかがむことが多いため腰を痛めたことや工作機械で指を深く切り指紋がなくなったこともあります.

そんな私が,今年度には博士号を取得し,年齢も40歳を超えているにも関わらず既に大学教員としての就職が内定しています.

私が取得した博士号は情報学と医学の融合領域です.

この分野では高度なプログラミングスキルや数学知識はあまり必要とされていません.

もちろん分野によっては少し必要になると思いますが,工学や理学と比較するとかなり敷居が低いです.

次に,私がおすすめする今後有望な分野を挙げてみたいと思います.

・生物統計学

・疫学

・医療情報学

・データサイエンス系(機械学習含)

生物統計学は,最も人手が足りていない研究分野のひとつです.

生物統計学というのは,臨床研究や治験などの人を対象とする試験の際に,その研究や薬剤の効果を検証するために

統計解析を担当する職種です.生物統計学の博士号を持っている人は非常に少ない状況であり,修士号を持っているだけでも就職に困ることはありません.

次に,疫学というのは人の集団を対象とした学問であり,疾患の予防や治療状況について分析,調査する分野です.この分野も統計学を用いますが,生物統計学の専門家ほどの専門知識は必要とされません.しかし,この分野は生物統計学と比較すると競争が少し激しく,看護師,薬剤師,理学療法士などの資格を有している方が有利です.

医療情報学は,比較的新しい学問です.主に病院情報システムの開発,運用などに関する研究です.

この分野もかなり人手が不足している分野です.

最後にデータサイエンス系は,現在大変なブームになっています.

機械学習を中心としてこの分野の需要はまだまだ続くと考えられます.

これらの分野はこれから伸び盛りの分野であり,かなり有望です.

また,専門知識が必要ではないかと思われる方もいると思いますが,基礎的な知識は他分野と比べると勉強することで十分に習得することができると思います.

勉強方法については,後ほど説明したいと思います.

世の中では会社に勤務しながら博士号を得る人はたくさんいます.

しかし,私のように会社を退職して大学院に入る人はかなり少ないと思います.

大学教員や研究機関の研究者のメリットとしては下記が挙げられます.

・年齢制限が緩い

・専門と関連性のある業務に携わることができる

日本の企業には採用時に年齢制限があることが一般的です.

また,ある年齢を超えると,リストラ対象になる場合もあります.

近年では名だたる大企業も多くリストラを実行しています.

一方で,研究者は,年齢制限が比較的緩い場合が多いです.

基本的に独立した個人として研究を実施することが多いためです.

次に,ある程度好きなことを仕事にできるという利点があります.

もちろん例外はありますが,少なくとも空いた時間で好きな研究を進めることは可能だと思います.

最後に,部署異動が少ないというメリットがあります.

民間企業では赤字部署の閉鎖や統合,あるいは人事異動により業務内容が大きく変わることが多々あります.

実は私も,勤務していた製造業で一度だけ部署閉鎖に遭遇しています.

その際に,研究職の経験もあるかなり優秀な先輩が,「サービス部品検査部」という部署に左遷されました.

職務内容は,市場から返品される不良品をチェックするという単純作業です.

一般企業では普通にありえることですが,基本的に大学教員や研究者にはここまで極端な例は稀です.

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博士号は凡人でも取れる

工学や情報学の博士号は,基本的に凡人でも取れると思います.

特にエンジニアとして働いている方や,それ以外の職種の方であっても一定のプログラミングスキルを有している方であれば問題ないです.

このような点で,工学や情報学の博士号を取得し,研究員になるというキャリアプランは再現性が比較的高い方法であると考えています.

これまで出版された本の中では研究者になる道を示してくれている本が多く出版されています.

ですが,工学や情報学の博士号や研究者のキャリアプランについて書かれた本は意外と少ない印象です.

ですが,工学や情報学の博士号や研究者のキャリアプランについて書かれた本は意外と少ない印象です.

例えば,有名なのは下記の本だと思います.すごく良い本なので一度買って読んでみてください.この本では,主に社会人から大学などの文系学部の教授になる方法について書かれています.

次に,下記の本は元高級官僚の方が書かれた本です.こちらも是非買って読んでみてください.ですが,著者の方はもともと大卒後に国家1種のキャリア試験を突破したスーパーエリートです.また,在職中に有名大学院に海外留学までされています.とても普通の人とは言い難いです.また,文系で博士号(おそらく論文博士)を取得されていますが,文系の分野で博士号を取得するのは非常に大変ですし,かなり手間がかかります.

ですので,凡人が真似ができるという内容ではないように思います.

ただし,工学や情報学の博士号は誰でも取れると言ったのですが,それは能力面に限ったことです.「ねばり強さ」が唯一必要だと思います.そういう意味で,誰でも取れるのですが,簡単には取れないことも事実です.

エンジニア(システムエンジニア等)として勤務している方は非常に多いと思います.このような方々に対して,研究者としてキャリアチェンジする方法について書いてみたいと思います.

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この記事を書いた人

某メーカーで数年間エンジニアとして勤務していました.研究,開発,品質管理とたらい回しの刑を満了し,現在はパッケージソフトウェア開発者として個人で活動しています.

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