大学院の研究室選び【失敗しない方法】

大学院の研究室選びは,非常に大切です.

特に博士課程に進学する方は今後の人生に大きくかかわってきます.

これから述べる方法は,基本的に博士課程に進学される方を対象としますが,修士課程へ進まれる方も参考になると思います.

まず研究室のホームページにアクセスし,下記の項目をチェックしてください.

・研究内容

・構成メンバーと研究業績

研究内容ですが,これが一番大事です.

研究室のホームページで自分の興味が持てる研究が実施されているかどうかをチェックしてください.

もし見当たらない場合でも,自分で自由に研究テーマを設定できる場合もあるため,やりたい

研究テーマがすでに決まっている場合は,それが実施可能かどうかを研究室訪問のときに伺えば良いです.

次に,構成メンバーについて調べます.教員と大学院生によって確認すべきポイントが異なります.

まず,主任教授の人柄や指導方法があなたに合っているかどうかがかなり大事なポイントです.

ですがこれは研究室訪問の際に自動的に分かることなのでこの段階では気にする必要はありません.

次に,教員メンバーの准教授,講師,助教をチェックしてください.

実際にあなたを指導してくれるのはこれらの先生方になりますので,非常に大事です.

これらの先生方の研究内容と研究業績をチェックします.

あなたの関心がある研究内容があればラッキーです.

受け入れてもらえる可能性がかなり高いといえるでしょう.

次に,工学や情報学の分野で評価される業績は一般的に論文誌と国際会議論文だけです.

論文誌というのは専門的な学会が発行している雑誌のことです.

また,国際会議論文というのは,発表者が海外から集まる学会発表です.

国際会議論文は,情報工学の分野ではかなり重視されています.

直近の5年以内で第一著者として公開している論文誌や国際会議論文があるかどうかをチェックしてください.

一般的に学術研究の世界では,第一著者として論文誌を出せる研究者が研究能力があるといえます.

もしこれらの業績がない場合,学生が第一著者の論文誌に連名として公開されている業績があるかどうかを確かめてください.

これは学生に対する指導能力を示す有力な指標になります.

というのも,教員であっても自分の研究以外で論文指導ができる人は限られているからです.

学生に論文指導を実施し,その論文が受理されるまで指導することができるという証明になります.

こまぎれの散発的な研究や受託研究ではなく,ある程度重厚な研究テーマを持ちその分野で確固たる軸足を築いている教員でなければ博士課程の学生を指導することは難しいです.

そして最後に,博士課程,修士課程,学部課程の学生をチェックします.

最も大事なことは,その研究室に博士課程の学生が存在し,かつ博士号を取得した学生が

存在するかどうかです.実際に博士号を取得した人がいない場合や,博士課程の学生がいない場合はかなり注意する必要があります.

博士課程の学生を指導できる教員がいない場合があるからです.

特に企業が出資している寄付講座や協力講座では,実質的に指導できる教員がいない場合もあります.

また,残念なケースでは企業の仕事を割り当てられて,授業料を払って企業の仕事をやるはめになることもあります.

学生さん等,世間のしくみにうとい方などはこの罠にかかりがちです.

大学資金で運営している基幹講座を選んだほうが無難だと個人的には思います.

目次

研究室訪問

以上でひと通り調査した後に,研究室訪問を行ってください.

基本的に,主任教授が対応してくださると思います.

その際に,できれば研究室の学生さんにいろいろと研究室の学生さんに雰囲気などを聞いてみてください.かなり参考になると思います.

私は明確にやりたい研究テーマがあったため,研究テーマを自分で決めさせてくれる研究室を探していました.

当時は肺炎に対する最適な治療方法を提示するようなシステムを作りたいと考えていたためです.

いずれにしろ,研究室選びはその後の人生を大きく左右しますので,良く考えて自分で選んでください.

次回は研究テーマの決め方について述べます.

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この記事を書いた人

某メーカーで数年間エンジニアとして勤務していました.研究,開発,品質管理とたらい回しの刑を満了し,現在はパッケージソフトウェア開発者として個人で活動しています.

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