組み込みソフトウェア開発者に必要なスキルについて考えてみます.
管理人は約7年間電機メーカーで主に組み込みソフトのエンジニアとして勤務しました.
今回の記事は,下記のような方に参考になると思います.
組み込みソフトウェアエンジニアになるためのスキルを知りたい
組み込みソフトウェアエンジニアに必要な3つのスキル
トップレベルのエンジニアを目指すことを念頭に置きます.
その視点で組み込みソフトのエンジニアに必要なスキルは下記になります.
プログラミング能力(OSなどの理解も含む)
ハードウェア(特にデジタル回路)に関する知識
英語力(キャリアを見据えて会話力も)
まずプログラミング能力ですが,これが真っ先に身に着けるべき技術です.
組み込み業界では,基本的にC言語が用いられます.
C言語自体は結構難しいですが,組み込み業界ではそれほど複雑な処理は行いません.
そのため,基本的な知識があれば結構通用します.
次に,ハードウェアに関する知識です.
組み込みプログラミングでは,ハードウェア(電子回路)を制御するプログラムを書くことが
多くなるため,基本的な知識があったほうがよいです.
ですが,心配しないでください!
理工系で求められるような電子回路設計の技術や高度な数学は不要です.
あくまで制御対象である電子回路の仕様さえ理解できれば良いからです.
逆にハードウェアの知識があったとしても,制御しようとしてる回路の仕様がわからなければ意味がありません.
電子回路(IC)の仕様というのは,まともなメーカーの場合,ハードウェア開発者が作成しています.
業界用語では「データシート」とか呼ぶ場合もあります.
このデータシートにどのようなタイミングでレジスタをたたけばよいのかについて書かれています.
レジスタというのは,回路に設置されている「変数」のようなものだと思っていただければ良いかと思います.
一般的に多くのICには数百のレジスタが搭載されている場合もあり,これらのレジスタにプログラムからアクセスすることで制御します.
ハードウェアに関する知識は,徐々に学んでいけば良いと思います.
最後に英語力ですが,これは主に先ほど述べた「データシート」を読む際に必要になってきます.
一般的にデータシートは「英語」で記載されています.
日本メーカーが開発したICは日本語で書かれているのですが,今後はほとんど英語になると思います.
その理由は,このような半導体事業は世界が圧倒的に強く,かつコストも低いため,ほぼ外国製の製品を利用しているためです.
特に,映像回路などの高度なICは海外勢が圧倒的に強いです.
そして今後AI技術などのハードウェア化に関しても,半導体部門の身売りが進んでいる日本企業に勝ち目はなさそうです.
また,このデータシートを読む以外にも,英語ができれば未来のキャリア形成が非常に楽になります.
例えば,組み込みソフトウェアエンジニアの活躍の場というのは,日本メーカーだけではないためです.
例えば,最先端のICを開発している外資系企業の営業やコンサルタントとして活躍するという道があります.
これらの企業の営業先とうのは日本メーカーであり,相当の専門知識が求められます.
そのため,技術レベルと英語力をあげておくことで,採用される確率は高ります.
日々英語力は磨いておくことをおすすめします.
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