これまで中学校から英語を勉強してきましたが、一向に上達しなかった人も多いかと思います。
私もその一人であったのですが、最近英語を勉強し始めて、気付いたことがあります。
英語力とは何か?そして、どのようにすれば英語力は上がるのか?
英語力が上がるといっても人によってとらえ方は様々だと思います。
TOEICで高得点を取りたい方もいますし、大学受験で英語の偏差値を上げたい人もいる、といった具合にいろいろありますよね?
さて、英語の勉強に必要なものを下記に記します。
———-基本学習項目(目安として英検2級レベル)———-
1.発音
2.音声変化
3.基礎英単語(高校レベルまで)
4.基礎英文法(高校レベルまで)
5.基礎英文解釈(高校レベルまで)
———目的別学習項目———
6.専門英単語(大学レベル、専門の試験等)
7.英文法演習(大学受験、専門の試験等)
8.高度な英文解釈(大学受験、専門の試験等)
9.ライティング(大学受験、専門の試験等)
10.リスニング
11.スピーキング
———-実践——–
12.英文多読
13.英語多聴
それぞれ、基本学習項目、目的別学習項目、実践というように分類しました。
基本項目は、どのような目的であれ、あらゆる英語学習に共通して必要になる学習項目です。
目的別学習項目は、大学受験やその他英語の試験などの目的に応じて勉強する項目です。
最後の実践項目については、後で説明します。
基本学習項目の取り組み方

まず、基本項目から順に説明していきます。
基本項目は、大学受験、TOEIC, TOEFL、留学、映画ドラマを字幕なしで楽しみたい、
英文学を楽しみたい、など、
あらゆる英語学習の目的に共通して必要です。
項目別に説明していきましょう。
まず、発音です。
発音の勉強は、発音記号を習得し、読めるようにすることです。
そして、中学レベルの基本的な英単語の発音を記憶します。
この発音学習は昔の英語教育では軽視されてきましたが、極めて重要です。
発音どおりに英単語を覚えないと、英語が全く聞き取れないからです。
下記に、発音のおすすめ参考書を示しておきます。
発音や音声変化の参考書は、日本人よりもネイティブに近い人が執筆、あるいは編集にからんでいるものが良いです。
この参考書は分厚いですが、発音記号とその発音の仕方、そして基本的な単語が一通り説明されているのでおすすめです。
次に、英文は複数の英単語から構成されますが、このとき英単語同士の発音が変化する場合があり、これを音声変化と呼んでいます。
例えば、英語でWant toは、「うぉんとぅ」と発音しますが、北米では「ワナ」と発話される場合があります。
その他に、複数の単語がつながる、飲み込まれるといった法則がいくつかあります。
音声変化をある程度把握していないと、英語を聞きとることが難しくなります。
これも昔の英語教育では軽視されていた部分です。
発音と音声変化の基本をマスターした後には、英単語に取り組むことをおすすめします。
英単語の勉強は、市販の英単語集を一冊こなすと効率が良いです。
英単語を習得すると、リーディングとリスニング、そしてライティングに効果があります。
英単語を習得するということは、その意味はもちろん発音まで完全に習得するということに注意してください。
そういう意味では、発音の勉強も含んでいるといっても過言ではありません。
発音記号を軽視して、「読めればいいや」という考え方で学習を進めると後で困ります。
最も困るのが、リスニングです。英語を聞いても単語が浮かばず、意味が理解できなくなります。
英単語の学習が一通り終われば、基礎英文法に進みます。
基礎英文法は、帰国子女でない日本人学習者は必ず取り組む必要があります。
英文法を軽視すると、英文読解ができなくなります。
最もおすすめなのは、高校レベルの英文法書を一冊こなすことです。
完璧に習得できなくても、一通り読めばOKです。
学習が進むと、何度も読み返すことになりますから。
そして、最終段階は、英文解釈です。
英文解釈は、ある程度長い文章を精読できる能力を獲得するために必要になります。
繰り返しになりますが、基本学習項目の達成基準は英検2級です。
学校に沿って学習している人は、自動的に英検2級は達成できると思います。
このレベルまで到達していないと、TOEICの勉強をいくら行っても点数が上がりにくいです。
英語は積み上げ式の教科なので、基本ができていないとすぐに崩れてしまうのです。
ただし、発音と音声変化の学習は軽視されがちですので、注意してください。
ところで、次の目的別学習項目で説明する大学受験英語が日本の英語学習の現況です。
ほとんどの人は、大学受験の英語の勉強に取り組み、英語学習の目的が偏差値アップになります。
難しい英文解釈に疲弊し、大学入学後はTOEICなどを受験してみるものの、たいして点数が取れずに就職し、その後は英語の勉強をしないという残念なルートをたどります。
社会人になってもなお英語を勉強し続けている人は少数です。
さて、少し話がそれてしまったので、本題に移ります。
目的別学習項目の取り組み方

目的別学習項目というのは、まさしく目的別に学習すべき項目という意味で名付けました。
多くの方が取り組むのは、大学受験です。または、TOEIC, TOEFL, IELTS, 英検, 字幕なしで映画がみたい願望、海外旅行で役立つ英語、など人によってさまざまです。
これらの目標を達成するためには、英検2級レベルの実力にさらに上乗せしなければなりません。
まずは、ほとんどの方が取り組むであろう大学受験英語について説明します。
典型的な大学受験英語の場合、大学入試に出題されるような文学、評論などの専門的な英単語を習得する必要があります。
その後、高度な英文解釈を学び、英文法の演習をする必要があります。場合によっては、英作文(ライティング)の練習も必要なるかもしれません。
大学受験の英語では英文解釈能力を伸ばすことができるという長所がありますが、
一方でスピーキングやリスニングには弱いという欠点もあります。
大学受験英語より実用性が高いのがTOEICです。
TOEICも大学受験英語と同様に、日常生活やビジネスで使う英単語をインプットする必要があります。
これらの英単語は大学入試ではあまり見かけない単語であるため、TOEIC用の英単語を学習しないと点数は伸びません。
さらに、TOEICの場合はTOEICの公式問題集に取り組む必要があります。
TOEICは実用的な試験なのですが、複雑な英文は出題されないので、英文解釈の能力を高めたい人には向きません。
リスニングとスピーキングに関しても同様です。
例えば、TOEFLiBTやIELTSでは高度なリスニングスキルとスピーキングスキルが要求されます。
このように、目的別学習では目的に沿った学習をする必要があることに加えて、それぞれ到達点に一長一短があるのです。
とはいえ、大学受験英語に関しては、私が受験生だった頃と現在の英語教育では大分変っています。
英語の読む・聞く・書く・話すという4技能能力に関して重視される
ことになり、外部試験の導入も手伝って今後さらに変わっていくと思います。
参考までに、主な英語試験のレベル感を私なりに書いておきます。
TOEIC550点がだいたい英検2級と同レベルです。
そして、TOEIC700点前後で大学受験の共通テストの英語ではほぼ満点が取れると思います。
以上が目的別学習項目の説明でした。
最後に、「実践」についてお話します。
実践レベルというのは、基本的な英語力が付き、かつ英語試験等を目的とした勉強を
するのではなく、英語の媒体や書物から情報を得て、実生活に役立てるという段階です。
この段階は英語力うんぬんでは決まりません。
特に試験などの目的がない方は、基本学習項目を終えてからすぐにこの段階に移行しても良いです。
以上、大まかな英語学習の流れについて述べてきました。
私がおすすめする勉強方法に関しては、今後説明していきたいと思います。
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