研究者にTOEIC学習をおすすめする理由

研究者やその卵である大学院生にTOEICは必要なのでしょうか?

結論を先に書きますが、研究者にとってもTOEIC学習は非常に有効です。

私は、元ソフトウェアエンジニアで、今は研究者として働いています。

エンジニアというのは英語で、日本では技術者と訳されます。

ここまでは当たり前ですが、学術分野の工学者も、英語ではエンジニアと呼ばれています。

つまり、研究者と技術者の呼び名は、英語では同じであるということです。

ということで、まずは企業や研究所の研究職について考えてみます。

公共の研究機関や企業では、「研究員」と呼ばれることが多いと思います。

一方で、大学などの教育も含めた研究職は、「教授」、「准教授」、「助教」と呼ばれています。

教育機関では研究のみならず学生の教育も担当するので、業務範囲は広くなります。

目次

研究者に英語力はもとめられるのか?

企業と公共ではかなり文化が異なるのですが、研究職では一般的に英語ができて当たり前だと思われます。

研究で必要となる最先端の資料は、ほぼ間違いなく英語の資料です。

また、国際会議での発表や論文執筆などで英会話や英作文の力が求められます。

大学の教育では、留学生を相手にする場合、高いレベルでリスニング能力が必要になります。

また、最近は小学校から英語教育が導入され、特に読む・聞く・話す・書くの英語4技能が重視されています。

この改革により、学生の英語レベルがかなり上がることが予想されます。

それに伴い、将来的には、英語で授業ができない教員は退職に追い込まれる可能性が高いと私は思います。

特にレベルの高い大学では、もうすぐ英語力の基準が導入されるでしょう。

既に教員の方はご存じだと思いますが、英語以前に教員のレベルというのは本当に、玉石混交です。

私立大学では博士号どころか修士号を持っていない教員も存在します。

特に文系では博士号の取得自体が非常に難しいため、修士号で教員になることも多いためです。

そのような方も英語力が高ければ、他の教員との差別化をはかることができます。

エンジニアから研究者に転職して感じた求めらえる英語力の違い

せっかくなので、エンジニアと研究者の両方の経験がある私の例をお話します。

私は電機メーカーのエンジニアとして数年勤務していました。

当時、大学院の新卒として就職したとき、私の英語力はTOEIC600点程度でした。

おそらく大学院卒の平均的な英語力より少し上程度の実力だと思います。

この点数だと、ある程度英文読解はできますが、外国人の会話などはほとんど聞き取れないレベルです。

事実、スペイン人のエンジニアが訪問してきたとき、彼らは英語で話していたのですが、ほとんど聞き取れませんでした。

しかし・・・・しかしです。

電機メーカーでは、英語ができない人が多かったので私はむしろ英語ができる社員でした。

これは時代の影響も少しあるかもしれません。

当時私が20代だったころには、40代前半のおじさんがたくさんいました。
(今では、彼らは50台前半になっています)

とにかく、どの企業でもこの年代(50歳中盤~60歳)の人たちが異常なまでに多いのです。

そう。この人達は、生きる伝説「バブル世代」の人達です。

多くの企業では高卒から大卒まで、幅広い人材採用がなされていたからです。

彼らの世代は、たとえ難関大学を出ていようとも、英語ができない人が多いです。

それに加えて、電機メーカーのエンジニアは理系大学や高専出身者がほとんどを占めているため、もともと

英語アレルギーがある人が多いのです。

少し話がそれてしまったので、本題にもどります。

その後、私は電機メーカーを退職し、某国立大学の研究員として勤務するようになりました。

ありがたいことに、私も研究室にも所属させていただきました。

驚いたことに、研究ミーティングと呼ばれている学生や教員も含めた研究打合せでは、みなさん当たり前のように英語で話していました。

先生方は留学生ともバンバン英語で会話しています。

なぜこれほど英語ができるのだろうと疑問に思いましたが、ひとつ気付いたことは、留学経験のある

先生がかなり多いということです。

このようにして、電機メーカーでは上位の英語力でしたが、大学では一気に最下位になったのでした。

今は博士論文を100ページ前後英語で書き、たまに英語論文も書いているのですが、まだまだ英語力の不足を感じます。

どの程度の英語力がもとめられるのか?

では、研究者に求められる英語力はどの程度でしょうか。

英語運用能力的に言えば、英文雑誌や英語論文が読解できることです。

また、なんとかGoogle翻訳の助けをかりつつも英語論文が執筆でき、国際会議で英語で発表でき、

質問された内容に関して回答することができるというレベルです。

ここまでが最低限必要な運用能力です。

個人的な感覚では、TOEICで900点前後というのがひとつの目安になってくると考えています。

なぜなら、TOEICで900点前後を獲得できれば、相手が話していることはなんとか要点程度は理解できるからです。

もちろん、英語で授業ができるレベルになると、もう少し上積みが必要だと思います。

結局のところ、TOEICで900点前後が獲得できれば、解雇に追い込まれるようなことはないでしょう。

TOEICよりTOEFLの方が良いのでは?

鋭い方は、研究者の場合、今後はTOEFLの方が重視されるのではないか?と思われると思います。

確かに、研究者は留学をする方も結構いますし、TOEFLは英語4技能を測定する試験なのでTOEICよりも実践的です。

将来的に大学教員などの英語力測定のものさしとしてTOEFLが用いられる可能性も結構高いと思います。

TOEFLというのは、正確にはTOEFL iBTという試験で、リスニング、リーディング、スピーキング、ライティングの

4技能に関して各30点で、計120点満点です。

私の私見では、TOEFLで80点を超えることができるか否かが目安になってくると思います。

TOEFLは、TOEICと違ってアカデミックな内容を含んでおり、試験の難易度はTOEICよりも高いです。

そのため、いきなりTOEFLを勉強してもうまくいきません。

そこで、はじめはTOEICの学習からはじめてみましょう

というのも、TOEICで900点の人がTOEFLを受験すると、80~85点程度は取れると言われています。

TOEICで培ったリスニングとリーディングの力は、TOEFLでも通用するのです。

特にTOEICのリスニング問題は発話速度が速く、かつ音声変化もあります。

そのようなレベルに慣れてしまうと、単語さえ覚えればTOEFLでも通用するのです。

英語ができる基準として、TOEFL100点がよく引き合いに出されますが、留学経験なしでこのスコアを取ることは相当厳しいです。

このスコアを基準にしてしまうと、ほとんどの教員が満たせなくなってしまうので、とりあえず80点あれば大丈夫です。

家政婦は見た!!

最近見てしまいました。

なんと、日本を代表する難関大学の理系の教授が自身のウェブサイトでTOEIC925点(2019年受験)のように載せていたのです。

この教授は毎年TOEICを受験しており、点数を公開しているようでした。

もちろん大学の教授ですから、この点数が十分に高いという自己認識のもと掲載しているはずです。

仮にこの教授がTOEFLを受験したとすれば、おそらく90点~95点前後だと思います。

実は、現在ではこのウェブサイトは削除されてしまったのです。

おそらく近年のTOEIC試験の難化に伴い、900点を割ってしまったので削除した可能性が高いと思います。

というのも、TOEIC900点前半の実力では、少し調子が悪いと簡単に800点台になってしまうのです。

言い換えれば、日本トップクラスの大学教授でも、言い方は悪いですが、その程度のレベルです。

みなさんも安心してTOEIC学習に取り組んでください!!

英語力を高めるためのTOEIC勉強方法に関しては、下記の記事で解説していますので、是非参考にしてください。

関連記事

■TOEICの対策講座【無料体験を実施】

■大学院留学のために準備すべきこと【合格に必要なこと】

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

某メーカーで数年間エンジニアとして勤務していました.研究,開発,品質管理とたらい回しの刑を満了し,現在はパッケージソフトウェア開発者として個人で活動しています.

コメント

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

目次