英文解釈の参考書として名が知れ渡っているのは、「英文解釈教室」、「英文読解の透視図」、「ポレポレ英文読解プロセス50」です。
これらはすべて難関大学受験生のバイブルとされています。
どれもすごく良い参考書なので、時間がない人に対して、どれかひとつ選べと言われると私はポレポレポレポレ英文読解プロセス50をおすすめします。
元代々木セミナールの人気講師、西きょうじ先生が書かれた有名な本です。
今回は、ポレポレ英文読解プロセス50について紹介し、効果的な使い方について述べたいと思います。
評価と使用者のレベル
評価
各英語試験に対する評価(5段階評価)は、下記の通りです。
・大学受験対策:★★★★★
・英検対策:★★
・TOEIC対策: ★
・TOEFL対策: ★★
この参考書は難しい構文を読み解くために作られたものです。主に大学受験生向けの教材です。大学受験用としては難解な構文を読み解けるようになることを目指しており、問題選定や解説も良いです(ただし、解説は丁寧ではありません)。英検とTOEFLは難しい構文も出題されるので効果はあるのですが、これより先にやるべき参考書があるように思います。最後に、TOEICの対策に関しては、まったく向いておらず、使用するとかなりの回り道になります。
使用者の想定レベル
想定レベルとしては、主に難関大学を受験する大学生に向いています。また、英語だけでなく日本語レベルも高いので、行間を読めるような国語力の高い方にむいています。
しかも、この参考書は、私が見てきた中で最も難しいです。
この本に出てくる英文は難関大学で出題されたものが多いからという理由もありますが、それ以前に少しくせのある参考書なのです。
学力レベルとしては、センター試験(共通テスト)のリーディング問題で少なくとも7割以上は取れている方におすすめします。
相当英語が得意でない限り、高校3年生レベルでないと使いこなすことは困難だと思います。
また、大学受験生でなくとも英語を趣味として学びなおしをしている社会人の方にもおすすめです。
この参考書で注意すべき点は、実力のない人が取り組むと、わりと簡単に思えてしまう場合があることです。 実は、これはありがちな錯覚です。私とポレポレ英文読解プロセスの出会い
当時大学受験生だった90年代の後半にこの書籍を一目みたのですが、その時は購入しませんでした。
当時は、簡単そうな参考書に見えてしまったのです。(実際は、その真逆でした)
結局購入したのは、英語を学びなおそうとした2000年に入った頃でした。
ポレポレ英文読解プロセス50のメリット
ポレポレ英文読解は本当に良く出来た参考書です。
出題英文が難しいのではなく、著者が要求するレベルがかなり高いのです。 一般に、ほとんどの受験生は英文の構造だけ把握し、和訳を確認して終わりという使い方が多いと思います。 著者である西きょうじ先生は、英文を頭から順に読み下せるようになるように指導しています。参考の中では、この難関大学レベルの英文を頭から後戻りを最小限にしつつ読み進めるテクニックが説明されています。
この本の利点は、英文の網羅性ではなく、英文の読み方(解説)なのです。
ポレポレ英文読解プロセス50の欠点
この参考書の欠点は、そのかわいらしい表紙の見た目から、簡単な参考書というイメージを植え付けていることです。
この参考書は、すべての英文の構造を詳しく説明しているわけではなく、説明を飛ばしている箇所があります。
そのため、学力の無い人が取り組むと、あっさりと終わってしまうことがあるのです。
そして、「簡単だった」という印象さえ植え付けられるかもしれません。そして、結果的に実力が全く付かないのです。
これはまさに私がたどった道であります。
つまり、参考書自体はすばらしいのですがかなりの上級者向けの参考書であるという記載が欲しいですね・・
効果的な使い方
ポレポレ英文読解プロセス50は、各英文の構造を把握して、訳せるようになるだけでは効果は薄いです。
ポイントは、英文だけでなく日本語で書かれている解説まで丁寧に読んでください。
日本語で書かれた解説の中に、英文読解のテクニックがつまっています。
英文の解説には、たとえば「一文の中に動詞が2個連続することになるので、ここで関係代名詞の省略だと気づいてください」
のように、文章を頭から読んだときに頭をどのように働かせればよいかについて書かれています。 この英語ができる人の考え方を、ほとんど無意識のうちにできるようになるまで練習してください。ですので、英文を訳せるようになることはもちろんのこと、英文の読み方がマスターできるまで繰り替えしてください。
目安としては、最低でも10回程度は繰り返す方が良いです。ちなみに、私は20回以上繰り返しています。
10回も繰り返せないと思う人もいるかもしれませんが、間違った問題に印(しるし)をつけておき、その問題のみを繰り返すだけで大丈夫です。
効果【到達点】はどの程度か
大学受験に関しては、具体的に偏差値でいくつとかは言えないですが、
東京大学や京都大学のような難関大学も含めてほぼ対応できるようになるでしょう。
実質的に英文解釈の仕上げとして利用すれば良いと思います。
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