電機メーカーの年収について詳しく知る人は少ないです.
一般的に電機メーカー社員の年収は他の業界に比べて低いと言われていますが,それは本当でしょうか?
管理人は,約7年間電機メーカーにて研究開発,品質管理などの経験があります.
今回の記事は,下記のような方に参考になると思います.
主に電機メーカーへの就職,転職を考えている方です.
✔ 電機メーカーの社員の年収が知りたい人
✔ 電機メーカーの出世と賃金の関係性について知りたい人
電機メーカーのエンジニアの年収が低い2つの理由
まず電機メーカーの定義ですが,例えば,日立製作所,三菱電機,東芝,パナソニック,ソニー,シャープといった家電を扱っている(いた)メーカーとします.他の機械製造系のメーカーも大方同じだと思います
銀行,商社などの他の業界,そして製造業でも製薬業界などと比べると確かに低いと思います.
賃金が低い理由は,下記です.
- 従業員が多い
- 製品開発には膨大な手間と労力が必要になる
まずひとつめですが,電機メーカーの従業員は多いです.1万人以上の従業員がいる企業も珍しくないです.毎年100人前後の新卒を雇用するというのもかなり異常だと思います.
これだけ従業員が多いと利益が出たとしても社員への配分は少なくなってしまいます.
なぜこれほど多くの人が必要になるかというと,製品開発には様々な労力と手間がかかるためです.
製品は多くの部品(半導体,コイル,コンデンサなど)からできているため,そのひとつひとつを発注する人も必要となり,またそれらを設計して組み立てるような技術者,そして組み立てた製品に搭載するソフトウェアを開発する人,不良品が出たときにそれを解析する人,など様々な役割の人が必要になります.
しかも部品の数は,複雑な製品になると1000以上になります.
絶望的なほど人手が必要になることが想像できると思います.
電機メーカーの平均年収はどの程度か?【ランキングは無意味】
また,就職四季報などで電機メーカーの賃金水準をしらべている方もいると思いますが,あれはほとんど無意味です.
電機メーカーでは工場で製品を組み立てるいわゆる現場労働者の方の年収も含まれているためです.
そのため,ライン(工場)を自社で持っている企業の年収は,一般的に少し低めの水準になると思います.
とはいえ,現場労働者の方の年収もそれほど大きな違いはないです.
総合職の電機メーカーの年収の目安【大卒,院卒の場合】
私のケースを例に電機メーカーの年収をお伝えします.
当時の私のスペックで下記のような賃金でした.
これは支給額なので,手取りではないことに注意してください.
ちなみに残業代は月30時間までしか出ませんでしたので,サービス残業もありです.
33歳,主任(総合職),年収600万円,(年間約500時間の残業代含)
一般的に電機メーカーでは,キャリアの途中から裁量労働制になることがほとんどです.
私が在籍していた会社では,係長級から裁量労働制になりました.
平社員と主任までは毎年一定の昇給率です.
係長級になると最低でも700万円前後となり一気に上がるという賃金体系です.
早ければ35歳前後で係長級になれます.
平均すると,60歳まで頑張って850万円前後かと思います.
課長級になるのはほんの一握りです.
課長級になれる人というのは同期入社組の中で,5人に1人程度かと思います.
電機メーカーに定年まで勤務した場合の給料はどうなるか?
最終的な結論なのですが,例えば1年浪人するとそのぶん生涯賃金が低くなるとか考えている人が今の時代にも存在すると思いますが,それはもうかなり間違っています.
電機メーカーでは,若くして課長級になった人が最も稼げます.
例えば,45歳で課長級になった人は係長で終わる人と比べて3000万円以上は生涯賃金が変わってきます.
さて,最終的に電機メーカーの年収が低いと考えるかどうかは皆さん次第です.
今回はこれでおしまいです.
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