博士号をとるために必要なこと【研究室での生活編】

博士課程に進学しようとしている人,既に進学している人にアドバイスします.

主に理系の方たちに向けています.

今回は,研究室での生活,過ごし方について焦点を当ててみようと思います.

世間では博士号取得者はプライドが高いから使いにくいなどと言われることもあります. しかし,現実的にはプライドが高い人や生意気な人は博士号を取ることが難しいです. 結論は,そういう人はつぶされてしまう可能性が高いからです.

特に,社会人経験を経て社会人博士課程,あるいは仕事を辞めて博士課程に入学される方には参考になると思います.

社会人の方はこれまでの経験を押し通そうとしたり,そのようなケースも結構想定されるからです.

今回は,このことについて説明します.

目次

大学の先生とはどのような生き物か?

まず,私たちを指導してくれる大学の先生とはどのような人なのかについて理解しておく必要があります.

彼らはどういう環境で育ち,どのような価値観を持っているのでしょうか?

彼らは一生懸命勉強して大学院に入学しました.そして修士課程を終えました.

ここからです.

ここからが一般企業に進む人間とそうでない人間の違いが出てきます.

大学教員は,一般企業に就職せずに博士課程に進む道を選択した人です.

なので,一般企業よりも大学の方が偉いと思っていることが多いのです.

しかし近年では,企業出身の方が引き抜かれて,生え抜き教員をしり目に教授になる例もあります.

そのため,特に生え抜きで大学教員になった先生は,企業に対してあまり良いイメージをもっていないことが多いです.

また,これに加えて大学教員はプライドが高い人が多いのです.

新米のうちはそうでもありませんが,年を重ねるにつれてその傾向は強くなります.

まず,これを肝に命じてください.

大学教員には決して逆らってはいけない

合言葉を教えます.

「逆らいません(博士号を)取るまでは」です.

大学教員に逆らうと,博士号が遠のきます.

理由は,学生をつぶすことなんて簡単だからです.

学部生や修士の学生をつぶすのは難しいです.

でも博士課程の学生をつぶすのは簡単です.

なぜなら,教員は博士課程の学生に博士号をとらせてあげる義務はないからです.

結構おそろしい話です.

さて,どのようにしてつぶされると思いますか?

一番簡単な方法は,「いやー,これじゃあ研究とはいえないねー」って言い続けることです.

これだけで学生をつぶせます.優秀な学生も吹き飛びます

この言葉と,「まあ人には向き不向きがあるからねー」という言葉を組み合わせます.

学生が頑張って研究をします.論文を書きます.

そのたびに,上記のような言葉を投げかけていれば,いずれ学生はつぶれるでしょう.

どれほど優れた学生であろうとも,教授に認められなければ論文誌に投稿することを許してもらえませんし,ましてや博士号審査に進ませてくれることはないのです.

博士号が誰にでも取れるようなものであれば,このような実質的なパワハラを行う教員はすぐにばれてしまいます.

しかしポイントは,理系ではストレートで博士号を取れる人は約半分です.

何がポイントかというと,全員が博士号を取得できるわけではないということです.

当たり前ですが,博士課程に入学してくる人は自分は博士号が取れると思っている人ばかりです.

学力的にはある程度優秀な人達です.

国が公表している統計では理系の博士号は8割程度の人が取れるとされています.

しかし,このデータは博士課程を3年間終えた人達に限った統計であり,2年で辞めた人は分母から外れています.

この3年間続けられなかったという人が存外に多いのです.

そのため,博士課程入学者を分母とすると,博士号取得率は約半分以下となります.

なので,気に入らないという理由で一人くらいつぶしたところでわからないじゃないですか.

そうでなくとも,大学教員は,学生の面倒を見るのはボランティア的な考え方を持っている場合も少なくありません.

そのため,いわゆる研究室で実施されるミーティングは,教員と対等に議論できるような場所ではないのだということを理解してください.

私が博士課程の院生の時も,言動にはかなり気をつけていました.

先生に反論しようとしたこともありましたが,我慢していました.

大学教員から言われたことだけをやっても博士号はとれない

これまで述べたことと矛盾するようですが,大学教員から言われたことだけをやるのは止めた方が良いです.

研究に対する指導で方向性や実際にやることを示されることがあると思いますが,自分が正しいと思ったことをしてください.

こと研究に関しては,先生の歓心を買っても前にすすまないことが多いです.

大学教員と衝突しないことと,言いなりになることは別だということです.

よくあるパターンは,毎回先生から言われたことを忠実に守って研究しているのに,いつもケチをつけられる.

不満がつのる ⇒ やめたい

となるパターンです.

そのような事にならないように,先生とはうまくコミュニケーションをとっていきましょう!

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この記事を書いた人

某メーカーで数年間エンジニアとして勤務していました.研究,開発,品質管理とたらい回しの刑を満了し,現在はパッケージソフトウェア開発者として個人で活動しています.

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