本記事は、就職で有利になるTOEICスコアに関して考えてみたいと思います。
主に、新卒の方を対象に、私が新卒の時に行った就職活動の事例を含めて解説します。
流れとして、はじめに採用側はどうのような人で、どのような考え方をしているのかについて考察します。
そのあと、短大や専門学校、あるいは大学生活においてどの程度の点数が取れば良いのかについて考えます。
結論から言うと、学生時代にTOEIC700点以上を目指すべきだということになります。
採用側の状況
採用側のバックグラウンド(人事、現場)
失礼ですが、世の中のおっさんのほとんどは英語ができません。
(超絶英語ができるおっさんもいるのですが、決めつけてしまってすみません!)
特に1987年以前に生まれたおっさんは間違いなく、まともなリスニング教育を受けていません。
この時代以降に、センター試験の英語でリスニングが課されるようになりました。
年齢でいうと40歳手前になります。
けど、社会に出れば英語力が求められるのでは?
と思う人もいると思いますが、日本の会社でTOEICの試験を課される会社はごくごく一部です。
こういう方は、仮に偏差値の高い大学を出ていたとしても、それ以降英語に取り組んでいない場合はTOEICの点数は低いです。
結果、英語ができないおっさんは会社の中で多数を占めるようになり、もちろん採用側にもまわります。
このような人たちが採油側にまわると、かなり問題点が出てきます。
それは、「応募者の英語力を適切に評価することができない」ことです。
当人はTOEICなんて受けたこともないけど、最近の学生は学校でリスニングを勉強しているし英語ができるようになっているはずだと思う人が採用側に多くなるのです。
世の中の学生の英語力を知る
ここで世の中の学生の英語力はどの程度なのかについて考えてみます。
あまり他で取り上げられていない情報を示します。
新潟大学医学部医学科のTOEIC受験結果
まずは、トップレベルの大学生の例を挙げます。
国立大学の医学部に入学する学生って超絶かしこいですよね?
例として、新潟大学医学部医学科と広島大学医学部医学科で入学初年度にTOEIC試験を実施しています。
このレベルの学生は、センター試験の英語でも満点近く取れているはずです。
おもしろいことに、2つの大学ともにTOEICのスコアは650点前後という結果が出ました。
これらの試験は希望者ではなくて、入学者全員に対して実施しているので信頼性が高いです。
推測にすぎませんが、医学部に進学する学生ともなるとプライドも高いですから、全く無勉強で受験した人は少ないはずです。
少なくとも、半数程度の学生はTOEIC公式問題集を購入してさらっと勉強しているのではないでしょうか。
超絶かしこい彼らをもってしても、この点数だということをまず知っておいてください。
理系の大学院修士課程に求めらえるTOEICの点数
次に、理系の大学院生の英語力について考えてみます。
例として、奈良先端科学技術大学院大学という国立大学院があります。
この大学院は、修士課程の入学者全員にTOEIC650点を求めており、おそらく合格者の平均がそれに近いはずです。
https://www.naist.jp/ded/englishclass.html
ただし、全員が入学の段階でこの点数をクリアできているわけではないようです。
この大学院は、京都大学や大阪大学などの難関大学出身の学生も多数在籍しています。
こういう人たちが、大学院入試に必要なTOEICの勉強をしていないわけがありません。
つまり、優秀な大学生がそこそこの強度で勉強してとれる点数の平均が650点前後といえるのではないでしょうか。
入学後も、650点を取得できていない学生に対してフォローが行われるようで、徹底されています。
大学院では論文を書くため、英語ができたほうが良いからです。
北海道大学の医学部編入試験の受験資格はTOEIC680
次に、おもしろい例を挙げてみましょう。
北海道大学は医学部学士編入学を実施しており、この「受験資格」としてTOEIC680点が要求されます。
編入試験というのはほとんどの人が大学を卒業してから受験します。
この大学を卒業した段階で医学部に入ろうという学力レベルの人が、大体TOEIC680点程度ということです。
少なくとも普通の大学生レベルではないです。
ということで、3個の例を挙げましたが、現在トップレベルの大学、あるいは大学院においてはTOEIC650点というのがひとつの目安であるといえます。
この結果は、あくまでトップレベルの大学生の例ですので、皆さんにあてはめて考えて見てください。
試しに、今後あなあが出会う人にTOEICの点数を聞いてみて、統計を取ってみてください。
先生、親、友達、同僚、すべて含めると私の統計では700点を超えている人は5パーセントに満たないです。
一方で、ネットを検索するとほとんどの人が超えており、中には900点を超えている人がたくさんいます。
なにかおかしいと思いませんか?
私の就職活動の感想
私が行った新卒時の就職活動についてお話します。
学部で植物学について学び、そして大学院の修士課程ではコンピュータサイエンスを学びました。
まず、私の大学、大学院時代のTOEICの最高得点は「610点」でした。
就職活動は学部の時に、10社程度、そして修士の後に40社程度受験しました。
学部では銀行、SIer、電力会社。修士では電機メーカー、SIer、ゲームメーカー、サービス業等です。
TOEICの点数は履歴書に書いていましたが、
受験したすべての会社で「君、英語が得意なんだね!」と言われたことは一度もありません。
補足として、私が受験した会社は理系応募者に偏っておりそれほど英語が必要とされる環境ではありません。
しかし、それを考慮に入れたとしても、一度も話題に上らないということは、ほぼ評価されていないということです。
現在は、その傾向がさらに強まっていると思います。
学生時代にTOEIC700点以上を目指すべき【結論】
採用側の基準が上がっている
私の新卒時の就職活動でも説明しましたが、TOEIC600点前後の点数は履歴書には書けるものの、インパクトが弱いです。
私の予測では、評価としては「簿記2級」に負けると思います。簿記3級と良い勝負でしょう。
採用の担当者も「TOEICなんてテクニックで簡単にとれるんだろ!」と思っている人もたくさんいます。
特に英語を必要としない会社では、応募者の英語力を正しく判断できる人は配置されていません。
確かに、20年前のTOEICであればテクニックで解ける問題も多かったのです。
そういう知識を持たない人たちの目を引くためには、少なくとも700点が必要です。
まあ、そんな人事がいるところに行きたくないよっていう意見もあると思いますが・・・
外資系企業の採用基準がTOEIC700前後
転職サイト等を見てもらえばよく分かりますが、ほとんどの外資系企業でTOEIC700点を評価しています。
外資系企業は英語ができなければ話になりませんから、採用側にもきちんと英語力を評価できる人材が置かれています。
中途採用でも評価されるのですから、新卒であればなおさら評価が高くなるはずです。
一部の外資系銀行やコンサルではもう少し基準が高いかもしれませんが、外資の製薬やIT系企業であれば全く問題ないです。
TOEIC700点は簡単には取れない
TOEIC600点からTOEIC700点に上げるためにはかなりの時間が必要になります。
先の例でも説明しましたが、トップレベルの大学生がそれなりに勉強して650点前後取れるのが現実です。
ちなみにTOEICとセンター試験英語にも相関があって、大方「TOEIC680点がセンター試験の9割から満点に相当する」といわれています。
皆さん、中学・高校で神童だった人を思い浮かべてください。ひょっとすると、あなた自身が神童だったかもしれませんね。
あなたがやるべきことは、まず高校時代の神童の英語力に並ぶことです。
この並んだ時点で、TOEIC650点レベルに到達するとしましょう。
さらに50点の上澄みを加えて700点にします。
この時点でやっと、高校時代の神童の英語力を超えることになります。
このように考えると、TOEIC700点というのはそれほど簡単なことではないと思いませんか?
TOEICは年々難化しているため、現在のTOEICで700点を超えることは相当大変です。
まとめ
以上をまとめると、現実的に一定程度努力すれば取れる可能性が高く、かつ社会的にも評価される基準としてはTOEIC700点という結論になります。
個人的には、700点で止まってしまうともったいないと思います。
700点まで到達できる人はほとんどいないのです。
できれば、みなさんはこれ以上の点数を目指てもらいたいと思います。
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