今回は、Z会から出版されている速読英熟語のレビューをしていきます。
私は、実際に使った経験がある参考書しか紹介しません。
これから取り組む方の参考になれば幸いです。
速読英熟語との出会い
この本は、実は私が大学受験生の時にはやりませんでした。
実際に取り組んだのは、社会人になってからです。
主に基礎固めになるのではないかと思い、そしてTOEICの点数を上げようとおもって取り組みました。
結果的に、TOEIC対策としてはあまり効果がありませんでしたが、基礎的な部分の抜けがなくなりました。
速読英熟語の評価とレベル
TOEIC対策:★
TOEFL対策:★★★
英検対策:★★★
大学受験対策:★★★★★
以上が公式問題集の評価です。(5段階評価)
TOEIC対策としては、この参考書を使う意味はほとんどありません。
TOEFLは難関試験ですが、読解の基礎になるので役立ちます。
英検でいうと英検2級と準1級の間くらいがこの参考書のレベルにあたり、英検対策としても役立ちます。
しかし、やはりこの参考書は大学受験のために存在します。
大学受験対策としては、共通試験から二次試験まで結構幅広く対応できます。
この参考書には基礎的なことが網羅されているため、基礎部分の抜けがなくなります。
また、リスニング音声もあるため、センター試験のリスニング対策としても使えます。
速読英熟語の特徴とレベル
この熟語集のコンセプトは「文章の中で熟語を覚えよう」という方針です。
おもしろくて印象に残る英文が並んでおり、その中に覚えるべき英熟語が出てきます。
文章のレベルとしては、共通試験より少し上程度のレベルです。
英熟語自体は難しい英熟語も含んでいます。世間で言われているほど簡単ではありません。
嘘だとおもうならば、みなさん「just around the corner」という熟語は知っていますか?
わりと珍しい英熟語ですが、第一文に掲載されています。
また、この熟語集の良い点は、重要構文も含まれていることです。
そのため、この参考書をやりこめば、中堅の私立大学であれば合格点にかなり近くなります。
基礎的な項目をかなり網羅しているため、かなりコスパが良いです。
また、それぞれの文章にリスニング音声が付いているので、リスニングの対策にもなります。
速読英熟語の効果的なやり方
具体的なやり方について説明します。
手順は下記のとおりです。
①見開きページで英熟語を覚える
➁英文を読んで理解する
③英文を音読する
④リスニング音声を聞く
⑤リスニング音声をオーバーラッピングする
手順の③から⑤に関しては、繰り返し行ってください。
繰り返し回数は、「耳で英文を聞いて意味が分かる」状態になるまでです。
③から⑤は、行ったり来たりしてかまいません。
例えば、リスニング音声を聞いている最中に、文の構造が分からなくなったら③の音読に戻ってください。
そして、もう一度リスニング音声を聞く。
オーバーラッピングをしていて聞けない音声があれば、④に戻ってリスニングするという具合にすすめてください。
ちなみにオーバーラッピングというのは、リスニング音声と同時にスクリプトを見ながら英文を声に出して読むことです。あまり大きな声をだすとリスニング音声が聞こえなくなるので注意してください。
このような作業を繰り返して完璧にしてください。
大体ですが、はじめて学ぶ場合は1個の文章につき10回は繰り替えさないと覚えられないと思います。
そして、このようにして暗記した英熟語も、残念ながらすぐに忘れます。
そこで復習が必要になります。
復習のやり方
10文ずつ取り組むことをおすすめします。
この前提で、
①前回行った英文のリスニング音声を聞く
➁聞き取れない箇所があれば確認して覚える。
という具合に、全体読んだ文章を完璧にしてから次に進んでください。
このようにして10個終われば、もう一度最初に戻ってやり直す。
そして、10文が完璧になれば次の11から20番に取り組んでください。
そして、時間があるとき(ほとんどの人が土日だと思いますが)、週に一度だけでよいので
前回やった10文のリスニング音声をすべて聞いて復習してください。
もちろん、できなかった箇所は復習してください。
このように進めていくと大方聞き取れるようになってきます。
発展的な使い方
発展的な使い方としては、何度も音読して文章自体を暗記してまう方法があります。
文章だけでなくリスニング音声も暗記してしまいます。
といっても、完全に暗記することは難しいですから、なんとなく覚えているくらいでかまいません。
才能ある人でも、20回以上は音読が必要でしょう。
しかし音読を繰り返しても半年も経過すると忘れてしまうでしょう。
そこで、さらなる復習が必要になります。
この勉強法のメリットは、ほぼ暗記している状態なので、リスニング教材をつかって一気に短時間で復習できるということです。
例えば、1時間程度リスニング教材を聞けば、かなりの分量を復習することができます。
これを繰り替えすことができれば、脳の長期記憶に保存することができます。
ただしこのやり方は膨大に時間がかかるので、大学受験生は注意して取り組む必要があります。
英熟語以外にも長文読解や他科目の勉強もあると思うので、優先順位を考えて取り組んでください。
この勉強法は長文であればこの参考書以外でも通用するのですが、ひとつ注意点があります。
例えば、「速読速聴英単語」のようなニュース系の英単語集でこのやり方をしないほうが良いです。
理由は、ニュース英語のような無味乾燥な(感情に訴えかけない)文章は記憶に残りにくいからです。
つまり、ほとんどの人は長期記憶には定着しません。
だから、このやり方で勉強する時には記憶に残りやすい文章で行ってください。
まとめ
今回は、速読英熟語についてレビューしました。
総合的にかなり出来が良いため、大学受験をする方、全員におすすめできます。
全員に勧められる本はなかなかないのですが、これは例外ですね。
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